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見えて来たのか「欠陥構造建築事件」

姉歯設計士による構造設計偽装事件についての感想を述べた前回の記事から約一ヶ月、今だにこの話題が新聞TVを賑わせ続けている。
遂に警察による家宅捜査も行われたのは周知の通り。何とも釈然としないこの事件、はたして責任者の所在は明らかになるのであろうか。
先日の国会証人喚問での特に野党議員による追求は確かに法廷ドラマを見ている様な迫力があり、与党議員達の寝ぼけた質問との対比が鮮やかで鳥肌ものではあったが、冷静に考えてみれば提示された種々の証拠も「こじつけ」「誘導尋問」と言ってしまえばそれまでの様な気もする。黒幕と言われる総研、設計士に圧力をかけたという木村建設。はたして建築基準法に違反してまでの「経済設計」を彼等は強要したのだろうか、彼等は嘘をついているのか?
これまでの報道を見て何となく思うのだが、この事件のキーマンと言えるのはやはり姉歯設計士であって、黒幕と言われるコンサルタント、あるいは設計士に圧力をかけたという木村建設にしても、結局彼等自身が言う様に「法規に違反しろとは言っていない」というのが本当のところなのでは無いだろうか。前にも書いた様に建築業界は分業化されているので、自分に直接及びそうな責任は予め回避しておくのが常道だ、コストダウンを強要するのも(勿論法律違反は論外だが)良く有る事、施工会社が設計者に同様の協力を求めるのも決して珍しい事では無い。総研は運営や施工のコストダウンの専門家(同規模のホテルを同じ集客圏内にしゃあしゃあと建ててしまうあたり、はたしてプロか?と疑いたくもなるが)ではあっても構造の専門家では無さそう。施工屋さんも自分達も利益を上げるのに汲々として構造まで意識が回らなかっただろうし、元請けの意匠設計士はやはり構造には弱かったのかも。偽装発覚後にも販売を続けていた渦中のディベロッパーの社長は売り主としての法規上、道義上の責任は免れないと思うが(何ごとに付け妙に馴れ馴れしいのは取りあえず置くとして)、最初から偽装を知っていたとはとても考えられない。
奇しくも警察の事情聴取に対して姉歯は木村建設以外の物件でも偽装を行っていた事を証言したらしい。人の良い彼自身が圧力を感じるままに編み出した構造計算書の偽装という窮余の一策。それが思いもよらず発覚しなかったことで、金を生み出す「打ち出の小槌」の様に錯覚し、感覚が麻痺して行ったのかもしれない。何かイソップ童話の「狼少年」を彷佛とさせる話しではある。

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