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縄文VS弥生展

久しぶりに上野方面へと出かけたついでに、国立科学博物館で開催されている「縄文VS弥生展」を見に行った。
首都圏にあまた在る自然史系博物館の親分格である国立科学博物館、通称「かはく」は只今大改装中。パリの自然史博物館を参考にしたと思われるお洒落でスマートな展示室の一部は既に公開されているがこの日は生憎時間が無い為特別展のみの観覧となった。

近年の年代測定技術の進歩に伴って、いわゆる弥生時代の始まりが従来言われていた紀元前2世紀頃より500年遡った時代である事が判明したという記事を最近新聞の片隅で読んだ覚えがあるが、どうやらこの研究成果を発表しつつ夏休みの子供達の自由研究のネタを提供すると言うのが今回の特別展示の主旨であるらしい。この500年遡ると言う事が何を意味するかと言うと、大陸から稲作技術と武器を持ってやって来た弥生人達によって縄文人と縄文文化が急速に同化、駆逐されて消えて行ったという従来の常識がどうやら根底から覆えされてしまうようなのだ。このあたり古代史に興味のない人にとってはさっぱりだろうと思うがまあそういう人は放っておいて話を先に進めると、縄文人は基本的に狩猟採集を生業としていて出生率は低い、一方農業を主とした集団は出生率が高い。狩猟採集を生業とする一つの人類集団の中に農業で食って行く人間が僅か0.1パーセント程度混じるだけで、特に戦争や疫病などが無くても技術や文化、顔つきや身体的特徴まで丸ごとすっかり変わってしまう、それほどの時間的余裕があった、という事らしいのだ。最初に弥生文化をもたらした人々が大陸からやって来た少数の渡来人であることは間違い無いだろうが、縄文人対弥生人の民族の存亡を賭けた争いといったある意味ロマンチックな冒険活劇はなかった、という事らしい。

という訳なのだが展示自体にはそれ程目新しい物は無い。というよりやや総花的で突っ込み不足のように感じられなくも無いのだが、夏休みの子供達も対象としている展示のようなので致し方ないかもしれない。各地の遺跡や貝塚から発掘された人骨が多数展示されているので苦手な方は要注意。従来なら歴史系博物館で扱われる事の多いテーマを自然史系博物館で展示するという事に何らかの意味がある様にも感じられる。

しかし今回何といっても特筆すべきは縄文人と弥生人の扮装をした若い女性2人をモチーフにしたビジュアル戦略でしょう。電車の中刷りや新聞の片隅等にも登場しているので首都圏に住む多くの方が目にしていると思うが携帯電話やゲームに興じる彼女達のビジュアルが会場までのアプローチからテーマ毎の解説パネルに至るまで徹底的に使われていて嫌が応でも目に入る。純朴な男子中学生など恥ずかしくて正視出来ないかも(笑)まあ最近の中学生は違うのかもかもしれないが。ユニクロなどの広告でもお馴染みの手法を取り入れた物で、今回成功しているかどうかは微妙だが博物館の広告手法として新鮮であることは事実。どんどんやって貰いたい。

jomon_vs_yayoi


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