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一分の代償

新しい職場に移ってこの二週間、何も書けぬまま過ぎてしまいました。
連休を迎えてようやく落ち着いて物を考える時間が出来た訳ですが、この間に関西で発生した大惨事について何も書かぬまま次に進む事は出来ないので、今さらではありますが、少し感想を残しておきたいと思います。

JR発足以来の大事故となった福知山線脱線転覆事故の発生から一週間を迎え、当初は渾沌としていた事故の全貌が徐々に明らかになりつつあり、車内に乗り合わせた乗客の皆さんや地上の目撃者、同僚運転手の証言等から、事故発生の瞬間の様子やそこに至る経緯が我々にも徐々に推測出来る様になりました。

いつもの朝、いつもの様に電車に乗り、何気ない車内の時間を過していたであろう人達に突如襲いかかった悲劇について、前途洋々であった被害者の皆さんの無念を思う時、私の様な物には語る言葉もありません。
ただ一言、惜しくも亡くなった方々には御冥福をお祈りします。
さらに幸運にも生還出来た方々にとっても、怪我の治療やリハビリ、PTSDの克服などの大変な日々が続くと思いますが、亡くなった方達の為にも精一杯生き抜いて欲しいと思います。

実際のところ複合的な要因で起こったとされる今回の事故ですが、主な原因は亡くなった運転手の過失にあり、さらにそれを誘発したのがJR西日本による職員の懲罰的、高圧的管理制度と激務に有り、さらにその原因と考えられるのが私鉄との競争に明け暮れて利益追求が最優先となっているJR西日本の特異な事情と労働組合対策に有る、との考え方が今のところ有力なようです。
しかしながら電車自体の構造的問題や車体に何らかのトラブルが発生して制御不能になった可能性を指摘する専門家もいて、もしそれが本当なら亡くなった運転手は過失どころか職務に殉じた貴い犠牲者という事になります。度重なるJALのトラブルと言い、最近発生した羽田空港での管制官の失態と言い、最近公共交通機関で発生するトラブルには戦慄を感じる物が多い、一体全体どうなってしまったのだろうか?。

JR西日本と政府の事故調査委員会による事故の真相究明にはまだ時間を要するでしょう。加えて今回も事故発生当初から置石の可能性を声高に主張する等、巨大組織に有りがちな自己保身に走る様子が有り有りと見受けられるJR西日本自身に、真実を包み隠さず報告する能力が有るかどうかについては疑問の余地が残るが、失敗は分析される事に拠って次に生かす事が出来る。全てが明らかになる事を期待するしかありません。

そしてまた一見この事故の最も遠くに在りながら、決して無関係では無いと思うのが、我々公共交通機関利用者の在り方ではないかとも思う。
何かのトラブルで電車が遅れ、乗客が駅員に食って掛かる様な光景を目撃すると暗澹たる気分になる。遅れてしまうなら一言、勤め先や客先に連絡すれば済む事では無いか。
1分1秒を争う社会生活、他人より早く、より早くという要望が事件の背景に広がっている。一会社員に過ぎない私がこんな事を述べたところで社会に何ら影響を及ぼす力など何も無いが、「私」も、「あなた」も、この慌ただしい世界の住人として責任の一端を持っている事を心しておくべきだろう。

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Comments

同じこと考えてる方がいてよかったです.
スピードを要求してきたのは他ならぬ僕らですよ.

Posted by: t103s | May 02, 2005 at 10:58 AM

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Tracked on May 02, 2005 at 10:52 AM

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